日本の底辺である小学生のサッカー。週末サッカーコーチが、未来のサッカー界を担う子供たちの現状を伝えますよ。
日本サッカーの底辺より
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ある1つの物語(前編)!
2005年08月13日 (土) 18:02 | 編集
それは7月に入って間もない日だった。その日は前日に降った雨は止んでいたものの空は重い雲に覆われてた。緊張しながらも楽しみでもあったインターハイ予選準決勝。勝てばサッカー部創設以来のインターハイ出場。相手は、これまで練習試合を含めて一度も負けたことのない高校。チームメイトはインターハイに行けることを信じていた。

スタンドには在校生やOBを含め、かなりの数の観客が応援していた。その応援を指揮していた人は中学の先輩でもあり高校の先輩でもある人。その先輩に誘われてこの高校に来たのである。その先輩は一人一人の応援歌をつくり声の限りに叫んでいた。

試合前のアップの時、ふとスタンドを見ると観客の多さに驚いた。それと同時にこの観客の前で出来る喜びが湧き上がり涙が出そうになった。近くにいた友達に「最高だな」と話すとそいつも「最高だな」とうなずいてた。あの時の感動は今でも忘れていない。

準決勝第1試合では当時全国レベルであった高校が順当に勝ちあがり、インターハイ出場を決めていた。それに続くためにも、うちも勝ってインターハイを決め、決勝でその高校とやるつもりだった。


しかし、試合開始前のロッカールーム。そこは異様な雰囲気に包まれていた。
いつもとは何かが違った。外から聞こえてくる応援の声。その日の空と同じく重い空気。間違いなく緊張している。プレッシャーがチームを襲っていた。これがプレッシャーなんだなと感じたのを覚えている。

また、ささいなことも意識してしまっていた。試合前のアップの時に感じたグランドの悪さ。前日の雨と準決勝1試合目の影響でグランドがかなりでこぼこになっていたのである。つなぐサッカーが出来るかどうか少なからず心配していた。

その心配は別の形で現れたのである。


ロッカールームでは気合を入れ直し、いざ出陣。歓声の中で試合は始まった。自分はベンチスタート。ベンチから試合を見守ったが、選手達の動きはあきらかに硬かった。

前半15分過ぎ。ハイボールキャッチしたキーパーが着地の瞬間に足をひねってしまった。やはりグランドのでこぼこにはまってしまったらしい。

怪我は重傷でキーパー交代となった。それまでベンチを暖めていたキーパー。控え組みの自分としては、そいつの気持ちがよくわかっていた。いつも控え組み同士で試合をやったり練習をした仲である。そいつが活躍すること信じて控え組みみんなで送り出した。


その後両チーム膠着状態が続き前半は終了。ただ、ロッカールームでの雰囲気は相変わらず重かった。キーパーの負傷ということも影響しているようだ。とはいえ、まだまだ0-0。先取点が大事ということを確認して後半にのぞんだ。


後半が始まるもあいかわらず動きが重い。お互い決定的な場面もなく時間は経過していった。

そして、後半20分過ぎ。相手チームのコーナーキック。キーパーが出られずヘディングシュート。いいボールといいタイミングで合わせれてしまった。許していけない先制点。さらにチームの雰囲気は重くなる。


残りの時間を必死に攻めるもお互い決定的な場面は訪れずそのままタイムアップ。インターハイの夢は破れてしまった。

最高の舞台で最悪の試合。明らかに相手より実力が上にもかかわらず、力を出し切れずに負けてしまった。勝負の厳しさを教わった気がする。

自分は観客席をみると自然と涙があふれてしまった。ベンチにも入れなかった多くの選手や応援してくれた観客に対して、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

試合終了以後、その日のことはほとんど覚えていない。そして自分は大学受験を優先し、その試合を最後に高校サッカーを引退した。


インターハイという大きな夢は達成できなかった。高校サッカーという1つの夢の終わり。悲しみだけが残ってしまっていた。

しかし、自分と応援を指揮していたあの先輩、そして失点の責任をだれよりも感じていた控え組みのキーパー、この三人にとっては「この試合が終わりではなく始まり」であることが8年後になって分かるのであった。

続く・・・
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